コラム

透析関連情報

腹膜透析ってどんな治療?

以前のコラムにも掲載させて頂きましたが、慢性腎臓病が進行して腎臓の機能が5~10%以下程度の末期腎不全になると透析や移植などの腎代替療法が必要になります。

みなさまは「透析」と聞くとどんなことをイメージしますか。

以前、当院に通院されている患者様に質問をしたところ以下の様な回答をいただきました。

 

・血液をとりだして、きれいにしてから体に戻す。

・月に何回も通院しないといけない。

・長い時間ベッドで横になっていないといけない。

・血圧が下がって大変だと話を聞いた。

 

これらのイメージは血液透析のものであり、透析=血液透析というのが一般的に知られているのではないかと思います。

今回はその血液透析ではなく、もう一つの透析療法である腹膜透析についてお話ししたいと思います。

 

腹膜透析とはご自身の体にある腹膜を使用した透析方法です。腹膜とは肝臓、胃、腸などの内臓表面やお腹の壁を覆っている膜のことで、この膜に囲われた空間を腹腔と呼びます。

この腹腔の中に透析液を一定時間入れておくと、腹膜を介して血液中の老廃物(毒素)や水分などが透析液側に移動しますので1日に3~4回入れ替えます。

 

腹膜透析のよいところをご紹介させていただきます。

 

・在宅で治療が可能

通常月に1~2回程度の通院ですので、社会復帰をしたい方、通院が困難な方、ご自宅で過ごされたい方に対応しやすいです。

 

 

・体への負担が少ない

毎日行う治療にはなりますが、ゆっくり水分や老廃物を取り除くため急激な体調の変化が少なく体に優しいです。

 

・残存腎機能が保たれやすい

残った腎臓の機能が保たれやすく、血液透析と比較すると尿を通じて水分や老廃物を排出できる期間が維持できます。

 

・食事制限が比較的緩やか

ある程度お食事の工夫は必要ですが毎日行う治療であるため、特に野菜や果物の制限が緩やかです。

 

などなど、腹膜透析にはさまざまな利点があります。

 

じゃあなんで血液透析の方が一般的になっているの?

腹膜透析の患者様は透析患者様全体の3%しかおりません。理由としては、血液透析を行える施設は多いのに対して、腹膜透析を実施出来る医療機関や医療スタッフが少ないことが挙げられます。

そのため慢性腎不全の治療をするにあたり、そもそも選択肢に挙げられなかったなんてこともあり得ます。

 

当院では専門医や腹膜透析認定指導看護師も在中しておりますので安心して治療を受けて頂けます。

 

また、腹膜透析も利点だけではなく欠点もあります。自宅で行う治療であるためご自身や家族で行う必要がやり方を覚えて頂く必要があります。また、管理不足だと感染や透析不足になることがあります。

慢性腎不全の治療で悩んでいる方や腹膜透析について詳しく知りたい方はぜひお問い合わせ下さい。

 

ページトップへ