コラム

透析関連情報

「中2日DW5%増まで」は正しい?

「透析間の体重増加は 中2日でDWの5%以内、中1日で3%以内」
患者さんも、医療者も昔から聞いた言葉でしょう。
簡単に計算できて、目安としては良いと思います。

ただし、体重30kgの小さなおばあちゃんと体重100kgの巨漢のおじさんを
比べたことがありますか?

そもそも透析間の体重増加量は水分の増加量に等しく、
それは言い換えれば塩分の摂取量に依存しています。

透析間の塩分摂取量の計算方法はいろいろとありますが、
「除水する量」=「失う血漿の量」
と考えますと、
「塩分摂取量(g)」=「除水量(L)」×「透析前Na濃度(mEq/L)/17」
と考え、たとえばNa=140としますと、
除水1L分 = 8.2g となります。

さて、30kgの患者さんが、5%増で来院しますと、1.5L(kg)の増加。
塩分でいえば、8.2×1.5=12.3g(2日間)→ 1日6.3gの塩分だったといえます。

100kgの患者さんが、5%で来院すると、5kgの増加。
塩分は8.2×5=41g÷2=1日20.5gの塩分摂取だったということになります。

30kgおばあちゃんは、1日6g制限をしてやっと。それ以上増えたら怒られる。
同じ%なのに、100kgのおじさんは、1日20gの塩分をとっていた!!なのに許される!

ということになります。

計算方法によって若干違いますが、
どの塩分摂取推定式を使っても同様の傾向になります。

医療者はこのことを理解し、本当に患者にあった指導しなくてはなりません。
透析医療に画一化はありえません。
おぐら内科・腎クリニックでは、常に患者さん1人1人にあわせたオーダーメイド透析を実施していきます。

おぐら内科・腎クリニック (栃木県小山市)  小倉 学

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