コラム

透析関連情報

ドライウェイトとは?

透析を始められる方は聞いたことのない言葉が多数ある事と思います。その中で今回は透析においてとても重要な「ドライウェイト(DW)」について記載していきます。皆様の不安が少しでも払拭されれば幸いです。

 

①まず、ドライウェイト(DW)とは?

透析療法合同専門委員会血液浄化療法ハンドブック2020では、「透析患者での過剰な体液貯留傾向のない状態の体重であり、具体的にはこれ以上水分を除去すると急激に血圧が低下する限界の体重をいう。」とされています。

この文章を読むと、「これ以上水分を透析で引きすぎると血圧が下がって危ないの?」と思うかもしれません。

 

②ドライウェイト(DW)の体重設定が低すぎる場合はどうなるのでしょうか?

先ほどの文章にもあるように透析中に血圧が下がることが考えられます。血圧は血流と末梢血管の抵抗で維持されています(血圧=血流×抹消血管抵抗)。

 

少し難しい言葉が並んでいるのでそれぞれを解説します。

「末梢血管の抵抗」の例:座った状態から立ち上がると人間の血液は重力で下半身へ集まり、脳への血流が減ることで立ち眩みが生じます。

すると下肢の末梢血管が締まり(抵抗が上がる)、上半身への血流量が維持されることで、立ち眩みの症状が改善されます。次に「血流」とは、血管の中に流れている血液の量を言います。

ドライウェイト(DW)が低い状態とは、血管の中を流れる水分が少ないことを言います。末梢の血管抵抗を上げても血流が少ないと血圧が下がって怠さや下肢攣りが出現します。

③ドライウェイト(DW)の体重設定が重すぎる場合はどうなるのでしょうか?

腎不全が進行すると糸球体濾過量が減少し無尿になっていきます。そうなると摂取した水分はそのまま体に貯留することになります(一部汗で体外へ出る水分もあります)。

 

無尿の状態を一つの水槽に例えられる事があります。蛇口(摂取した水分)で水槽(体内)へ水を注ぎます。水槽の下には水を捨てるためのホース(透析の除水)があります。蛇口から水を注いでホースから捨てられる量を越えていればいつかは水槽がいっぱいになります。

 

それでも、蛇口から水分を注いでいると水槽から溢れ出します。体内で水槽から溢れ出した状態になると下肢が浮腫みます。更に進むと心臓や肺へ溜まります。これが、溢水(いっすい)です。そうなると、息が苦しくなり緊急透析で多くなりすぎた水分を減らす必要があります。

 

ドライウェイト(DW)は軽すぎても重すぎても良くありません。適正な体重を設定する必要があります。それが、患者様自身の「生活の質」を向上します。適正な体重を設定するために当院では様々な検査によって決定しています。

 

ページトップへ