コラム

透析関連情報

ドライウェイトはどのように決まるのか?

透析を行っていくために重要なドライウェイト(DW)はどのように決まるのでしょうか?患者様の生活の質に関わる重要な項目であるため様々な検査で決定していきます。

 

①胸部X線検査

胸部X線検査は肺炎のスクリーニングだけではなく、心胸郭比(cardiothoracic ratio: CTR)の測定をします。他にも胸水や溢水(いっすい)の有無の診断も行います。適正なドライウェイトでは胸水や溢水(いっすい)が無く個人差がありますがCTR50%未満が適正と言われています。

心胸郭比=(心臓幅/胸郭幅)×100

 

心臓は風船に例えられる事があります。ドライウェイトが厳しい場合は体内の水分が少ないので心臓(風船)が膨らみにくいため小さくなります。ドライウェイトが甘い場合は体内に水分が溜まりすぎてしまうため心臓(風船)が膨らみすぎてしまうため大きくなります。

 

②ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(human atrial natriuretic peptide:hANP)

ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドホルモンは主に心房で合成、貯蔵され血中に分泌されます。これは、心房に水が溜まると利尿を促すために分泌されます。

ドライウェイトが厳しいとhANPは低くなります。
ドライウェイトが甘いとhANPは高くなります。

hANPは25~60pg/dL程度で管理すると良いと言われています。

 

③透析中の血圧推移

透析では体内から水分を抜きます(除水)。

体内に貯留している水分全てが血管内に存在するわけではありません。人の体は体重の60%が水分で出来ています。その内、細胞内液は40%で組織間質は15%、血漿は5%となります。血管の中に存在する水分は体重当たり5%しかありません。

透析で除水をされても血圧を維持できるのはプラズマリフィリング(血漿再充填)による効果です。プラズマリフィリングとは透析の除水によって血漿が減ると組織間液から水分を血管内に再充填する事を言います。

 

ドライウェイトが適正なら透析中の血圧は大きな変化がなく行えます。

ドライウェイトが甘いと体内に水分が貯留しているため透析後半の血圧が上昇していきます。
ドライウェイトが厳しいと透析中の血圧低下が見られます。

 

ドライウェイトは何か1つの検査で決定するものではありません。上記に記した項目以外にも患者様自身が自宅でしっかりとした生活が出来ているか等を聞き取り決定していきます。

 

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