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透析患者様の熱中症対策

連日暑い日が続いておりますが、皆様体調はいかがでしょうか。

ニュースなどでも熱中症に注意するように呼びかけています。

熱中症の予防のために「水分と塩分をしっかりとるように」なんて聞いたこともあるのではないのでしょうか。

しかし、透析治療を受けてらっしゃる患者様は、普段から塩分と水分の制限をするようにいわれているので「どうしたらいいの?」とお思いになるかもしれません。

 

そもそも熱中症とは?

熱中症とは、暑い場所や日射しが強い場所、風通しの悪い場所などの環境によって体温があがり、体の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能がうまく機能せずだるさや頭痛、吐き気やけいれんなど様々な症状を引き起こす状態です。

さて、透析患者様は塩分と水分の摂取はどうしたらいいのかということに戻りますが、

基本的には普段以上に摂取する必要はありません。

 

通常、健康な人では塩分や水分はおしっことして排泄されますが、透析治療を受けていらっしゃる患者様(無尿の場合)では排泄されずに体に蓄積していきます。そのために余計に塩分や水分を摂取する必要はないのです。

 

*比較的尿量を保てている患者様は脱水により残腎機能が低下することがありますので適宜水分の摂取をしてください。

 

汗ってしょっぱいから汗かいたら塩分足りなくなるんじゃないの?

汗に含まれる塩分濃度は約0.4%と言われています。つまり500mlの汗をかいて塩分2gを喪失するということになります。ちなみに500mlの発汗は夏場に1時間ウォーキングをする量と言われており、食事からの塩分摂取量を考えるとすぐに塩分が欠乏することはありません。

 

暑いし汗もかくから水分控えるのは心配

もちろん大量に汗をかいたりした際は水分補給も必要になります。

水分補給が必要か迷う際には体重を測定してください。ドライウェイトよりも体重が減っているようでしたら水分補給をしても大丈夫です。一方ドライウェイトよりも増えているようでしたら基本的には必要ありません。

とはいえ常に体重計があるわけではないでしょうから、口や喉の渇きを感じたら少しずつ摂取するようにしましょう。

 

水分を摂る際にはスポーツドリンクがいいですか?

汗をかいた量に合わせてスポーツドリンクの摂取は問題ありません。しかし、スポーツドリンクにはカリウムも多く含まれているのもあるため注意が必要です。また、糖分も含まれているため、血糖値が上昇して逆に喉が渇いたりすることもあるので糖尿病の方は更に注意が必要です。

おすすめは水やカフェインが含まれていないお茶(麦茶など)です。

念のため言っておきますがアルコール飲料はダメですよ。

また、暑くて冷たいものを摂取したい気持ちも分かりますが、冷たい飲み物は爽快感からつい過剰摂取してしまいがちですし、消化に負担がかかり食欲不振になることもあるので注意しましょう。

 

熱中症にならないためにはどうしたらいいの?

暑さを避ける工夫が大切です。

・外出や作業時は可能な限り朝方や夕方など比較的涼しい時間帯が望ましいです。

・屋外では日陰を歩いたり、帽子や日傘を使用して直射日光を避けましょう。

・衣類も通気性がよく、吸湿性や速乾性に優れた物を選び体に熱がこもらないようにしましょう。

・最近はさまざまな熱中症対策グッズもあるので活用してみてください。

・室内でもエアコンや扇風機を使用して気温や湿度を適切にします。

・必要に応じて水分を摂りましょう。

 

まだまだ暑い日が続きます。しっかりと熱中症対策をしてこの夏を乗り切りましょう。

 

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