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体重が減ったのに心臓が小さくならない

暑さが身にこたえる日が続いています。
患者様から「体重が減ったのに心臓(心胸比)があまり小さくならないわ」と耳にしました。
その答えの一例を紹介します。

 

1:心胸比とは
心胸比(CTR : cardio thoracic ratio)とは、胸部X線画像において、胸郭(胸)で最も幅の広い部分の長さと、心陰影(心臓)の最も幅のある部分の長さの比です。

 

心胸比は以下の式で表されます。
心胸比(CTR)=(心臓の長さ/胸郭の長さ)×100
胸郭の長さは変化しないため心臓の拡大・縮小を経時的に見ることが出来ます。
そのため、心胸比はDW(ドライウェイト)を決める指標に用いられます。

 

2:筋肉と脂肪
当院では、定期的に患者様に体組成計を使用して筋肉量や脂肪量の推移を記録しています。
筋肉と脂肪の関係を以下に表します。

上の表から、筋肉は脂肪より1.2倍重い事が分かります。
更に、水分量は筋肉の約80%、脂肪の約50%という事が分かります。
この内容はとても重要です。

日々、猛暑が続き昼間散歩する事が難しくなったため運動不足になっていませんか?
先ほど、筋肉と脂肪について説明した理由はここにあります。
つまり、運動不足によって筋肉が落ちて脂肪が増えていませんか?
筋肉が落ちて脂肪が増えても体重は見かけ上減って見えます。

それなら、水分量も減っていないとおかしいと思いますよね。
上記の水分量とは組織の水分含有量とも言えます。
つまり、筋肉は水分をたくさん含ませることが出来ているため肌の潤いや熱中症予防になると言えます。
そのため、今まで通りの水分を摂取した場合は組織に貯える事が出来ないため血管内等に貯留します。
それにより、体重が減っているが心臓の大きさはあまり変わらない事になってしまいます。

 

日々、猛暑で大変ですが室内で出来る運動を行い筋力維持に努めましょう!

 

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