見えない血管を知る一歩 ~ 血管年齢と動脈硬化の検査 ~
実年齢は50歳。でも血管年齢は…?
近年、注目されているのが“血管の若さ”を知る「血管年齢」という考え方です。
これまでご紹介してきた糖尿病・高血圧・脂質異常症も、実は血管を老化させる大きな要因です。
今、自分の血管がどんな状態なのかを知ることが、病気の予防や健康寿命を守る第一歩になります。
【血管の老化で起こる問題】
・動脈硬化の進行(血流が悪くなり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。)
・全身の老化加速(血管は酸素や栄養を運ぶ通路。栄養が行き届かなくなり、肌・骨・脳に影響します。)
・糖尿病合併症や認知症のリスク増加(毛細血管のつまりが関係します。)
では、血管の状態はどうやって調べるのでしょうか?
代表的なものに「ABI検査」と「頸動脈エコー検査」があります。
今回はこの2つの検査と、血管年齢に関わる主な採血項目についてご紹介します。
① ABI検査
☆どんな検査? ☆
ABIは、Ancle -Brachial indexの略で足関節上腕血圧比のことです。
両腕・両足の血圧を同時に測定し、足の血圧 ÷ 腕の血圧で数値(ABI)を算出します。
この値が低いと、足の動脈が狭くなっていたり、詰まりかけていたりする可能性があります。

☆こんなときにおすすめ ☆
- 歩くと足が痛くなる(間欠性跛行)
- 糖尿病や喫煙歴がある
- 血管の硬さや詰まりをチェックしたい
☆費用 ☆
自費(10割):1000円
保険適用(3割の場合):約300円 [保険適用になるかは医師の診断によります。]
② 頚動脈エコー(超音波検査)
☆どんな検査? ☆
首の動脈(頚動脈)に超音波を当てて、血管の壁の厚さやプラークの有無を直接確認します。
心筋梗塞や脳梗塞のリスク予測にも使われる、大切な検査です。

☆よく見る項目 ☆
- 血管壁の厚さ:血管壁が1.1mm以上だと動脈硬化の兆候
- プラーク(血管のこぶ)の有無や形、大きさ
- 血流の速さ・乱れから狭くなっていないかを見る
【壁の肥厚がなく、正常な頸動脈】

【壁の肥厚があり、血管が狭くなっている】

※+—–+は、血管の太さを表しています。
☆こんなときにおすすめ ☆
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症がある
- 血管年齢が気になる
- 脳梗塞や心疾患の家族歴がある
☆費用 ☆
自費(10割):5000円
保険適用(3割の場合):約1500円 [保険適用になるかは医師の診断によります。]
③ 血液検査(動脈硬化リスクの指標)

☆調べる主な項目 ☆
- LDLコレステロール(悪玉):高いと血管にプラークがつきやすい
- HDLコレステロール(善玉):低いと血管の掃除ができなくなる
- 中性脂肪(TG):増えすぎると動脈硬化を進める
- HbA1c・血糖値:糖尿病があると血管壁を傷つけやすくなる
- CRP(炎症マーカー):慢性的な炎症があると血管リスクに
!特に注目の組み合わせ!
LDLが高く、HDLが低い → 動脈硬化が進みやすい傾向あり
血管の老化は静かに進行します。
でも、検査で「見える化」すれば、生活習慣を見直すきっかけになります。
お気軽にご相談ください。
作成者:臨床検査技師 篠崎 英美
