放っておくと怖い脂肪肝 ~ 検査で早めにチェックを ~
朝晩の冷え込みが強くなり、温かいごはんやお鍋が恋しい季節になりましたね。
「食欲の秋」という言葉どおり、つい食べすぎてしまうことも増える時期です。

そんな今だからこそ、少し気をつけたいのが肝臓の健康です。
知らないうちに負担がかかっていることもあるため、早めのチェックが大切です。
「脂肪肝」と聞くと、「脂肪がちょっとついているだけ」や「お酒をたくさん飲む人の病気」・・・。
そんなイメージを持たれがちですが、実は放っておくと危険な病気の一つです。
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が異常に蓄積された状態をいいます。
肝臓の細胞の中に脂肪がたまり続けると、炎症を起こしたり、細胞が壊れてしまうことがあります。
そのままにしておくと、慢性肝炎という状態になり、さらに進むと肝硬変や肝癌に至ることもあるのです。
※肝硬変…肝臓が硬くなり、機能を十分に果たせなくなった状態。
※肝癌…肝臓にできる悪性のしこり(腫瘍)のこと。

肝臓の働きは主に4つになります。
・代謝・・・栄養を分解し、体が使いやすい形に変える。
・解毒・・・有害物質やアルコールを分解し、体の外に出す。
・貯蔵・・・栄養を貯めて、必要に応じて放出する。
・胆汁の生成・・・消化を助ける胆汁を作り、脂肪の消化を促す。
肝機能が低下すると、栄養を分解・貯蔵できなくなり、体内の栄養状態が悪くなります。
また 、有害物質が体にたまりやすくなります。
最近では、お酒を飲まないのに起こる脂肪肝(非アルコール性脂肪肝:NAFLD)も増えています。
さらに近年では、肥満や糖尿病など代謝の異常が 背景にあるタイプを
MAFLD(代謝機能異常関連脂肪性肝疾患)と呼ぶようになりました。
つまり、脂肪肝は「お酒を飲む人だけの病気」ではなく、
食べすぎ・運動不足・肥満・糖尿病などの私たちの生活習慣と深く関わっている病気なのです。
肝臓は感覚神経が少ない為、痛みを感じにくく、早期発見が難しい臓器です。
ですが、血液検査やエコー検査で早めに見つけることができます。
検査の種類
• 血液検査(ALT・AST)
肝臓の細胞に負担がかかると、数値が上がります。
• 腹部エコー検査
脂肪がたまると、肝臓が白っぽく明るく映ります。

腹部エコー検査は痛みがなく、短時間で終わる検査です。
お体への負担もほとんどありません。
当院では、肝機能の血液検査に加えて腹部エコー検査を行っています。
また、結果に応じて栄養士による食事のアドバイスも受けることもできます。
「健康診断で肝機能が気になる方」
「最近、体重が増えてきたな…という方」も、
この秋のうちに、ご自身の肝臓の状態をチェックしてみませんか?
脂肪肝は「ただの脂肪」ではなく、放っておくと肝臓にダメージを与える病気です。
早めの発見・早めのケアが、元気な毎日につながります。
作成者:臨床検査技師 篠崎 英美
