コラム

外来関連情報

不調の背景にある臓器 ~甲状腺のはたらきと検査~

季節の変わり目になると、
「最近なんとなく体調がすぐれない」
「疲れやすくなった気がする」
そんなご相談で来院される方が増えてきます。

健診では大きな異常は見つからない。
でも不調は続いている…。
そんなとき、甲状腺の働きが関係していることもあります。

甲状腺は、のどぼとけの下にある4~5cmの小さな臓器で、
蝶が羽を広げたような形をしています。

また、甲状腺ホルモン(FT3、FT4)というホルモンを分泌し、
全身の代謝を調整しています。

たとえば、
• 体温
• 脈拍
• エネルギーの使い方
• 気分や集中力
こうした「体の調子の土台」に、深く関わっています。
言い換えると、体のエンジンの回転数を調整している臓器ともいえます。

甲状腺ホルモンの量が変化すると、体のエンジンの動きが速くなりすぎたり、
逆にゆっくりになりすぎたりします。

甲状腺の病気には、ホルモンが出すぎるタイプと出にくくなるタイプがあります。
■ バセドウ病(甲状腺ホルモンが出すぎる)
体のエンジンが常にフル回転しているような状態になります。
• 動悸がする
• 暑がりで汗をかきやすい
• 体重が減る
• 手の震え、落ち着きにくさ
• イライラしやすい

■ 橋本病(甲状腺ホルモンが出にくくなる)
体のエンジンの動きがスローペースになります。
• 疲れやすい
• 寒がりになる
• 体重が増えやすい
• むくみ
• 気力が出ない

※ 症状の出方には個人差があります。

これらの症状は、ストレスや年齢、季節の影響でも感じやすくなるものです。
しかし、背景に甲状腺の病気が隠れていることもある為、
原因の一つとして甲状腺も考えてみる視点を持つことが大切です。

甲状腺の状態を調べるために、次のような検査を行います。
• 触診(大きさや硬さ、左右差がないかを確認します)
• 血液検査(TSH・FT3・FT4 などを測定し、ホルモンの状態を確認します)
※TSH・・・甲状腺刺激ホルモン。
甲状腺ホルモンが不足すれば TSH が上昇、過剰なら低下して
バランスを保っています。
• エコー検査(甲状腺の大きさ、内部の様子、しこりの有無などを確認します)

甲状腺の不調は、早めに気づくことで症状が楽になることも少なくありません。
「なんとなく不調」が続くときは、ぜひ一度ご相談ください。

 

作成者:臨床検査技師 篠崎 英美

ページトップへ