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厚着してきた時の注意点

日に日に寒さが強くなってきております。体調はお変わりないですか?
気温が下がると厚着をしたくなるものです。しかし、体重測定時に厚着のままだと思いもよらぬ影響を及ぼしかねません。今回は、そんな注意点について記載していきます。

1:まず、ドライウェイト(DW)とは?


透析療法合同専門委員会血液浄化療法ハンドブック2020では、「透析患者での過剰な体液貯留傾向のない状態の体重であり、具体的にはこれ以上水分を除去すると急激に血圧が低下する限界の体重をいう。」とされています。
ドライウェイトは「余分な水分を引いた時の体重でしょ?」と考えられる方もいます。その通りです。体重には「体内水分量」を含め「骨量」「筋肉量」「脂肪量」「衣類」などを全て含まれています。

2:余分な水分とは?


透析では体内から水分を抜きます(除水)。
体内に貯留している水分全てが血管内に存在するわけではありません。人の体は体重の60%が水分で出来ています。その内、細胞内液は40%で組織間質は15%、血漿は5%となります。血管の中に存在する水分は体重当たり5%しかありません。
除水はこの血漿中と組織へ過剰に溜まった水分(浮腫)除去を目的としています。
透析毎に体重測定を行いこの余分な水分量を除水することでドライウェイトに戻します。

3:厚着をしてくるとどうなるでしょうか?


ドライウェイトの考えから厚着をするとどんな事が起こるでしょうか。
厚着は余分な重さとなります。透析毎に体重測定を行いますがそれはあくまで数字しか見ていません。
つまり、体重が増えても厚着とは判断できません。そうすると、厚着分の重さは体内水分から除水(過除水)されることになります。その結果、血圧低下や下肢攣りが起こる可能性があります。

厚着はしない方が良いのかなと思われたかもしれません。厚着をしても体重測定時に脱いで頂ければ大丈夫です。透析中も着用したい場合は厚着の重さを申告して頂ければそれを含めたドライウェイトを再設定可能です。気軽にお声掛けください。

 

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