コラム

透析関連情報

腎臓リハビリテーション~運動制限から運動療法へ~

先日健康診断を終え、入職5年で着実に体重が増えておりました、、、

今回はそんな自分にも言い聞かせるよう「運動」についてお話ししたいと思います。

 

サルコペニア・フレイルといった言葉を聞いたことはありますか?

サルコペニアとは加齢と共に筋肉量が減少する事で、骨格筋の減少、握力または歩行速度の低下から評価されます。

 

一方、フレイルとは加齢に伴い心身ともに衰え、外的なストレスに弱くなっている状態であり、体重の減少、疲れやすさ、歩行速度の低下、筋力の低下、身体活動量の低下で評価されます。

 

透析患者様では約40%がサルコペニアを合併しており、フレイルに至っては2/3以上が合併していると言われています。

 

原因として、食事制限による栄養状態の低下や全身性の炎症、糖尿病の合併などが影響しています。

加えて高齢化が大きな要因となっており、関節の痛みであったり、加齢による筋力の低下、透析中に動かないことがサルコペニア・フレイルを加速させています。

 

そのため、最近では腎臓リハビリテーションといったものが注目されています。

腎臓リハビリテーションとは簡単にいうと、運動、食事、心理的なサポートなどを行う事で、腎臓病の患者様がいきいきと過ごせるようになるためのプログラムのことです。

 

透析歴の長い患者様では、腎臓のために運動はしてはいけないと言われたこともあるのではないでしょうか。

現在は運動を行うことによって、慢性腎臓病患者様の腎機能改善や、透析導入までの時間の延長、透析患者様において身体機能の改善、生活の質の改善などが報告されています。

 

運動の方法としてはウォーキングなどの有酸素運動、レジスタンス運動(筋力トレーニング)、ストレッチなどがあります。

透析患者様では心血管系の疾患を合併している事があるので医師の指示に従い実施してください。

 

当院でも透析中の運動療法としてエルゴメーターを実施しております。

アシスト機能も付いており、患者様の状態に合わせた強度や時間でペダルをこぐ運動が出来ますのでご希望の方はスタッフへお声がけください。

エルゴメーター「エスカルゴ」

 

透析中の運動の様子

 

 

体組成計も導入しているので筋肉量や体脂肪率など運動の成果を数値化して確認することもできます。

体組成計

私の結果です(筋肉少ない、、、)

 

 

まさに今、「運動制限から運動療法」の時代です。いきいきと日常生活を送れるように、ぜひ運動を習慣にいたしましょう。(私も頑張ります。)

運動方法など詳しく知りたい方はお気軽にお尋ねください。

 

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