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停電したらどうなるの?

透析を始めた患者様からこんな意見を耳にします。それは、「停電したら透析止まっちゃうの?」です。

今回は、そんな不安について記載していこうと思います。

 

1:コンソール(患者監視装置)

透析では、患者様からポンプを使って血液を引っ張り出して濾過した後に体内へ戻します。

透析を行うためにはコンソール(患者監視装置)という機器が必要です。

以下の画像が当院で使用しているコンソールのTR-10EXになります。

 

こちらの機械を動作させるためには電気が必要です。

そのため、電気が流れない状態では機器を動作させる事は出来ません。

しかし、それでは停電になった場合に大変なことになります。

そのため、コンソール内部にはバッテリーが内臓されており日頃充電している事でもしもの時にバッテリー動作中に返血などの対応が出来るようになっています。

 

 

2:非常電源

病院内には数多くのコンセントがあります。

更に、コンセントには色が付いている事をご存じでしょうか?

医療現場では主に緑色・赤色・白色のコンセントがあります。

更に、それらのコンセントは以下の様に分けられています。

区分 電源の種類 起動時間 連続稼働時間 コンセントの色
非常用電源 一般非常電源 40秒以内 10時間以上 赤色
特別非常電源 10秒以内 10時間以上 赤色
瞬時特別非常電源 0.5秒以内 10分以上 緑色又は緑
商用電源回路 白色

 

白色は家庭で使用するような一般的なコンセントです。

緑色は手術室などで一瞬でも電源が無くなると困ってしまう場所で使用されます。そのため、停電した場合は0.5秒で非常電源に切り替わり10分以上動作するコンセントになります。

赤色は透析のコンソール等に使用されるコンセントです。起動には10~40秒で非常電源に切り替わり10時間動作するコンセントです。

 

 

3:非常電源とコンソールの関係

先ほど述べたように透析のコンソール(患者監視装置)は赤色のコンセントに接続されています。

赤色コンセントは停電した場合、切り替わりに10~40秒の時間を要します。

その時間、透析は停止してしまうのでしょうか?

そんなことはありません。

その時間を埋めるために瞬時に切り替わる内臓バッテリーが活躍するわけです。

つまり、以下の様になっています。

停電が発生してもコンソールの電気が停止しないようなシステムとなっています。

 

 

こちらのコラムで停電への不安を持っている方が少しでも解消されれば幸いです。

これからも安全な透析を行える様に努力してまいります。

 

 

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