慢性腎臓病(CKD)ってどんな病気?
皆さんはCKDという言葉を聞いたことがありますか?最近ではTVコマーシャルでも
流れていましたね。
CKDとは慢性腎臓病のことで、わが国において成人の8人に1人が罹患しており、国民病として警鐘が鳴らされています。今回はそのCKDについて紹介していきたいと思います。
そもそもCKDってどんな病気なの?
その前にまずは腎臓について説明させていただきます。
腎臓はそら豆のような形をしており、握りこぶしぐらいの大きさで、腰の位置辺りに左右1つずつ存在しています。
腎臓はおしっこをつくる機能があることは皆様よくご存じであることと思います。体にとって余分な老廃物や水分を排泄し、身体の状態を調整しています。
そのほかにもナトリウムやカリウムなど電解質の調整、造血ホルモンの分泌(エリスロポエチン)、ビタミンDの活性化など様々な役割があります。
しかし、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や慢性腎炎、加齢などによって腎臓の機能が障害されこれらの役割が果たせなくなってきてしまいます。
CKDは初期症状がほとんどありませんが、進行するとむくみや貧血、だるさや息切れなどさまざまな症状が現れます。
どうやってCKDは分かるの?
尿検査でたんぱく尿の有無を調べることや、血液検査で血清クレアチニンという値を測定することなどで分かります。
下記の①②のいずれか、または両方が3カ月以上持続することで診断されます。
①たんぱく尿などの尿異常、画像診断や血液検査、病理検査で腎障害の存在が明らか
②血清クレアチニンから推算されるeGFR<60ml/分/1.73㎡未満
*血清クレアチニンと年齢、性別から計算した値を推算糸球体ろ過量(eGFR)といいます。
このeGFR値が60未満では腎臓の機能は低下しておりCKDの疑いがあります。
ご自身の血清クレアチニンと年齢、性別を入力するとeGFR値が計算できるサイトもありますのでご紹介しておきます。
GFR 推算式 | 腎臓セルフチェック計算式 | ADPKD.JP 〜多発性嚢胞腎についてよくわかるサイト〜 | 大塚製薬
会社などの健康診断では血清クレアチニンを測定しない場合もありますので、その際は医療機関で検査をうけてください。
CKDが進行するとどうなるの?
CKDは適切な治療や食事などの自己管理によって、進行を遅らせることが可能な場合もあります。
しかし、現在の医療では進行を完全に止めることは出来ず、そのほとんどが末期腎不全に進行してしまいます。
腎臓には先に述べたようにさまざまな役割が存在しますが、CKDが進行し、その役割を遂行できなくなると、腎臓の機能を代替する透析療法(血液・腹膜)や腎移植が必要になります。
また、CKDがあると心筋梗塞や脳卒中などの心血管病の発症リスクが高まることが報告されています。
そのため定期的に健康診断を受けてCKDの予防・早期発見に努めることが重要です。
いかがでしたでしょうか。今回はCKDについてご紹介させていただきました。
今後もCKDに関する情報をお伝えしていきますので、皆様の腎臓を守る一助となれば幸いです。