コラム

透析関連情報

RO水

透析に使用する「透析液」にはRO水が必要になります。
今回は、RO水について書いていきます。

1:透析液

透析液は体内の不要物質を体外へ拡散させるために必要な液体です。
透析液は初めからタンクで作成してある商品もありますが当院では透析原液の粉とRO水を混ぜて作成しています。
つまり、透析液を作成するにはRO水が必須という事です。

2:RO水

「RO」とはReverse Osmosisの略で逆浸透を表しています。
それは、浸透とは逆の大きな力をかける事で逆浸透させて濾過させる技術の事です。
「RO水」とは逆浸透水と表すことが出来ます。
RO水作成の流れを記します。

① 水道水(原水):RO水の元となる水です。
② 1次フィルタ:水道水中にある錆やゴミなどを濾過します。
③ 軟水化装置:水道水中にある硬水成分(CaやMg)を除去します。
④ 活性炭濾過装置:水道水中にある遊離塩素等を除去します。
⑤ 2次フィルタ:1次フィルタより細かいフィルタで軟水装置や活性炭濾過装置から出る微粒子を除去します。
⑥ RO膜:RO膜を介して更に不純物を濾過して透析に使用する純水を作成します。
⑦ 紫外線殺菌:作成した純水に微生物が発生する事を抑えます。
この一連の工程を得て透析液作成に使用できるRO水が作成されます。
つまり、RO水は微生物が生息せず超軟水の水という事が分かりますね。
RO水を飲んだことがありますがとても柔らかい感じがしました。しかし、硬水成分が無いので私としてはあまり美味しくなかったです。

3.RO装置

RO水を作成する肝となるのがRO膜になります。
先ほども記載しましたがROとは逆浸透を表しています。
では、逆浸透とは何をしているのでしょうか。
それを、簡単に説明したいと思います。

① 左側は処理前の水、右側が処理後の水が流れています。


② 通常は溶質濃度の高い左側へ濃度を薄めようと右から水が移動します。


③ 移動してきた左側に圧力を加えます。

RO膜は溶質を通過させないで水だけを通過させるという特性があります。
そうすると、左側から水だけを右側へ移動することが出来ます。
そして、濃縮された不要物質が廃棄されます。

 

今回は、RO水作成の流れについて記載しました。
RO水は透析をするのに欠かせないものでありそれを作成するにはたくさんの工程を得ている事を理解して頂ければ幸いです。
私たちは月に一度RO水の中に微生物がいないか検査を行って安全安心な透析液作成に努めております。

 

 

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