コラム

透析関連情報

触診の大切さ

シャントが良い状態?悪い状態?を判断するのに超音波診断装置を使用して判断する事があります。
今回は、患者様ご自身が触診してシャントの状態を判断する事も重要であることを記載したいと思います。

1:FV(Flow Volume:血液流量)

超音波診断装置を使用して判断する項目として FV(Flow Volume:血液流量)があります。
当院で超音波診断装置を使用したシャントエコー検査を受けられた患者様はスタッフより FV(フローボリューム)という言葉を耳にしたことがあると思います。

例えば、
患者様A:「私のシャントは大丈夫かしら?」
スタッフB:「AさんのFVは 500ml/min だから大丈夫ですよ」
こんな会話をした事があると思います。
ここで出てきた「FV は 500ml/min」とは1分間でおおよそ 500ml の血液がシャントに流れている事を表しています。

 

2:FV の欠点

シャントの状態を判断する項目として FV が使用されますが欠点もあります。
それは、あくまで数字しか見ていない事です。
それは、どういう事でしょうか?

上にシャントの図を載せています。
シャントは動脈(赤)から静脈(青)に血液が流れています。
つまり、動脈(赤)は図の右から左へ流れて静脈(青)へ流入したら図の左から右へ流れています。

シャントで①の場所が狭窄(狭く)した場合はどうでしょうか?
動脈から静脈に入って直ぐに狭窄しているため血液の流れる場所がないため FV は低下します。

次に、②の場所が狭窄した場合はどうでしょうか?
吻合部から②の場所までに③(副撓側皮静脈)の分岐する血管があります。
つまり、③を使用して②を迂回して④まで血液が流れている状態になります。
この状態では血流が保てているため FV は低下しにくいです。

シャントは狭窄する部位により FV に反映されにくい場合があります。
患者様はご自身で聴診器を使用して日々シャント音を確認して頂いていると思います。
その、確認する際に是非シャントに触れてみて下さい。
患者様からはどの状態が異常なのか分からないという意見もあると思います。
異常を見つける必要はありません。

日々、シャントに触れて「前よりも血管が張っているかな?」「前よりも血管の張りがないかな?」と変化を確認して頂きたいです。
気になる際はお気軽にスタッフへお声がけください。

ページトップへ