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糖尿病の名称が変わる??

昨年9月に日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は、糖尿病の新たな呼称案の有力候補として「ダイアベティス」を提案することが発表されました。

 

糖尿病はすでに世間にも広く認知されている疾患で、透析導入の原因の第1位にもなっています。

 

糖尿病の呼称変更が提案された理由

 

糖尿病は「尿」の漢字が使用されます。しかし尿に糖が出ない患者様もいて、病態を正確に表していないということがひとつと、「尿」という言葉が使用されていることで誤解や偏見を生んでいることが理由です。

実際に日本糖尿病協会が行ったアンケートでは回答者の9割が病名に何らかの抵抗感・不快感を持ち、変更を希望する方が8割に上ったそうです。

 

糖尿病スティグマ

 

スティグマという言葉をご存じでしょうか。スティグマとは偏見とも言われ、社会や他人から与えられた負のレッテルや不名誉な烙印のことを指す言葉です。

糖尿病という病気は、「生活習慣が悪く、自己管理が出来ない人がなる」などと周囲からみられやすい傾向があり、日本糖尿病協会は「糖尿病に対する誤った認識が偏見を助長し、差別を生んでいる」と指摘しています。

糖尿病患者様に対するスティグマの具体例として「就職が不利になった」「生命保険や住宅ローンに加入できない」「怠け者の様な目で見られる」などが挙げられます。

 

なぜ「ダイアベティス」

 

糖尿病を英語でDiabetes Mellitus(ダイアビーティス メライタス)と表します。

医療従事者は頭文字をとって糖尿病をDMと略して呼んだりしていますね。

学術的にも正しく、国際的にも受け入れやすいことなどからこの英語の病名をカタカナにした「ダイアベティス」でまとまったそうです。

 

呼称変更による期待

今までにも精神分裂病が統合失調症、痴呆症が認知症などと名称が変更されました。最初は多少違和感があったものの今ではすっかり定着されました。

糖尿病からダイアベティスへ。医療従事者はともかく、世間に定着するかは少し疑問です。

いずれにせよ名称を変更することでスティグマが払拭され、糖尿病の患者様が生きやすい世の中になることを期待しています。

 

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