コラム

透析関連情報

縁の下の力持ち

透析にはどんな機器が使用されていると思いますか?
日頃、目にするのは患者監視装置(コンソール)という機器です。
実は、裏方には様々な機器が使用されています。

1:患者監視装置(コンソール)とは?

患者様が目にするのは患者監視装置(コンソール)という機器です。
血液を体外へ出すためのポンプ(ローラポンプ)や気泡検知器等によって機器が構成されています。
その他には、治療中の圧力(静脈圧や動脈圧)、透析液温度、脱血圧等多くの情報を監視しています。
そのため、患者監視装置と言われます。

 

 

2:透析の原理

血液透析は人工腎臓(ダイアライザー又はダイアフィルタ)で血液と透析液を間接的に接触させることで拡散現象を起こしています。
拡散を起こすことで体内に蓄積した尿毒素を体外に出しています。
透析に使用される機器は患者監視装置以外にも沢山の機器があると説明しました。
その他の機器とは先ほど記した透析液という液体を作成するための機器類になります。

 

3:その他の装置類

 

① RO装置:原水を超軟水にしています。
② 透析液供給装置:患者様へ送る前に透析液の濃度を調整しています。
③ 透析液溶解装置:透析液は元々粉末です。それをRO装置で作られた水と粉末を合わせて液体に変えている装置です。

 

4:裏方の働き者達

透析は血液と透析液を間接的に接触させて拡散させていると説明しました。
血液の量は患者様によって多少異なりますが1分間に200~300ml程度を体外へ引っ張り出して人工腎臓(ダイアライザー又はダイアフィルタ)に流しています。
では、透析液は1分間にどのくらい流れているのでしょうか?
透析液はだいたい1分間に500mlを人工腎臓(ダイアライザー又はダイアフィルタ)に流しています。
この透析液は人工腎臓(ダイアライザー又はダイアフィルタ)に流した後は破棄される物です。
破棄されるという事は使いまわしではないため衛生的ですね。
しかし、使い捨てのため大量の透析液が作成されます。

文章では想像しにくいため下に説明します。
透析液流量は1台の患者監視装置当たり500ml/minと仮定します。
1患者様の透析時間を4時間と仮定します。
同時に透析を実施している患者様を60名と仮定します。

500ml(1分間に流れる透析液流量)×60分=30,000ml/h=30L(1時間に流れる透析液流量)
30L×4時間=120L(4時間透析で1台の患者監視装置に流れた透析液量)
120L×60人=7,200L=7.2トン(4時間透析で全患者監視装置に流れた透析液量)

上の計算から分かるのは4時間透析で7.2トンという大量の透析液が作成されている事が分かります。

これを作成しているのが「RO装置」・「透析液溶解装置」・「透析液供給装置」となります。
本当に縁の下の力持ちですね。

 

臨床工学技士 綱川

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