コラム

透析関連情報

ダイアライザの構造

透析をするために大切な物品としてダイアライザがあります。

患者様からこんな質問を受けます。

「ダイアライザって何?この筒はどうなっているの?」

今回はそんなダイアライザの構造をまとめたいと思います。

 

1:ダイアライザとは?

腎不全状態になると体内の不要物質が排出できなくなります。

そんな腎臓機能の代わりをするのがダイアライザ(図1)です。

そのため、ダイアライザは人工腎臓とも言われます。

人工腎臓と言っても老廃物と過剰な水分の除去しか出来ません。

その他の機能は薬剤でコントロールすることになります。

2:ダイアライザの中身はどうなっているの?

ダイアライザの中には中空糸(ちゅうくうし)(図2)と呼ばれる糸状の線維があります。

その中を血液、外側を透析液が流れます。

そして、中空糸を介して血液と透析液で拡散を行っています。

見えにくいかもしれませんがダイアライザ内部には無数の中空糸が内蔵されている事が分かります。

この1本1本に血液が流れます。

 

 

中空糸を100倍に拡大した物(図3)を下に添付します。

中空糸は無数の穴が開いたストローと例えられます。

図3から側面に無数の穴が開いている事が分かります。

この穴は体内に必要な血球成分は通さずに、不要な物質は通すサイズとなっています。

 

ダイアライザを縦に切断した断面(図4)を添付します。

この断面で血液と透析液の流れを説明します。

通常、血液は中空糸内部を通りダイアライザの赤い方から内部に入り青い方から外に出ます。

逆に透析液は中空糸外部を通り青い方から内部に入り赤い方から外に出ます。

この色が逆になっているのは内部で圧力差を生じさせるためです。

 

 

今回は代表的な中空糸型ダイアライザを説明しました。

血液浄化の考え方では他にもたくさんの方法があります。

患者様に適した治療方針を立てて行っていきます。

 

臨床工学技士 綱川

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