コラム

透析関連情報

返血の際になんの注射を入れているの?

透析が終了して返血の際に「注射入れて終わりますね。」とか「注射3本入りますね。」などスタッフから言われることがあると思いますが、どんな注射が入っているかご存じですか?

本来であればその都度内容をお伝えすべきかとも思うのですがなかなか、、、

 

そこで今回は注射剤をいくつか紹介したいと思います。様々な薬剤がありますが、よく使用されているのは以下の3つでしょうか。

 

①ESA製剤

②活性型ビタミンD3製剤

③カルニチン製剤

 

①ESA製剤

腎臓は赤血球を作るはたらきを促進するエリスロポエチンというホルモンを分泌しています。しかし腎臓の機能が低下すると必要な量のエリスロポエチンがつくられないため赤血球が足りず貧血になってしまいこれを腎性貧血と呼びます。

ESA製剤はこの不足したエリスロポエチンを補うことで貧血を改善する薬剤です。

 

②活性型ビタミンD3製剤

活性型ビタミンD3は腸管からカルシウムの吸収を促進します。食事から摂ったり皮膚で作られたビタミンDは腎臓の作用によって活性化されますが、腎臓の機能が低下すると十分に行えません。そのため不足した血中のカルシウムが不足し、副甲状腺ホルモンの分泌が促進されることで骨からカルシウムを補うため骨がもろくなりやすくなってしまいます。

この薬剤は活性型ビタミンD3を補充することでカルシウムの吸収を促進さえ、骨量の減少を抑えます。

 

 

③カルニチン製剤

カルニチンはアミノ酸の一種でこれが不足すると貧血や筋肉のけいれん(こむら返り)の原因になります。カルニチンは1回の血液透析で70-80%が除去されてしまうため透析患者様では不足しがちです。羊肉に多く含まれていますがなかなか食べませんよね、、、

そのため定期的に測定し補充をしています。

 

簡単にではありますが、比較的よく使用される注射剤を紹介させていただきました。もっと詳しく知りたい方や、その他にもどんな注射が投与されているか気になる方は返血の時にでもスタッフへお尋ねください。

 

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