寒くなるとなぜ指先が冷たくなるのか?
日に日に寒暖差が強くなっていますね。冬に近づいているんだと実感します。
寒くなると指先が冷たくなりますね。それは、なぜなのでしょうか?
1:指先が冷たくなる理由
人の体は体内温度をある程度一定に保とうとしています。
そこで、重要になるのが末梢血流です。
暑ければ末梢血管を拡張し発汗の気化熱で体温を下げます。
逆に、寒くなると末梢血管を収縮することで末梢血流を下げて指先等から熱が逃げるのを防いでいます。
注意しなければならないのは、末梢血管が収縮するという事は血圧が上がるという事です。
冬場に血圧が上がるというのはこれが原因です。
2:冬場の心筋梗塞
心臓に酸素や栄養を送る血管として冠動脈があります。
そんな冠動脈が動脈硬化などで狭くなるのが狭心症です。
動脈硬化で狭くなっている血管へ血圧が急に上がるなどの症状で一部が傷ついた事で血管を詰まらせてしまうのが心筋梗塞です。
以下に国立循環器病研究センター「冬場は心筋梗塞による心停止が増加」より引用した図を添付します。
※出典:国立循環器病研究センター(https://www.ncvc.go.jp/pr/release/003108/) |
この図から分かるように冬場の心原性心停止の発症率は夏場の約1.5倍に増加している事が分かります。
更に1年間で一番発症率が多いのは1月であることも分かります。
寝る前は暖かくても起床時に寒かったり、浴室から脱衣所へ移動する際に体温が下がったりなど家の中でも気温差が生じる場合があります。
更に、冬場でトイレが冷えている時に便秘のため力んだ事でより血圧が上昇するなども考えられます。
ここまで読んでみて寒暖差により心筋梗塞の発症率が上昇する事が分かりました。
では、寒い地域の狭心症・心筋梗塞発症率はどうなのでしょうか?
以下に「都道府県別統計とランキングで見る県民性」より「都道府県別狭心症・心筋梗塞死亡者数:男性」より引用した図を添付します。
※出典:都道府県別統計とランキングで見る県民性(https://todo-ran.com/t/kiji/18406) |
発症率が低いのは青や緑で表されています。発症率が高いのは赤や橙色で表されています。
これを見てみると最北端の北海道は緑色で発症率が低い事が分かります。私たちがいる栃木県は橙色で発症率が高い事が分かります。
この結果は興味深いですね。
つまり、寒い地域ほど防寒対策を行っているため室内の寒暖差が少ないと思われます。
逆に栃木県は寒くなるがそれに対する防寒対策が弱い事が考えられます。
適度な室内温度や衣類の着こみで体調管理をしましょう。