「胸の違和感」見逃さないで〜心筋梗塞の早期発見〜
先日、大きな交通事故のニュースがありました。
警察の発表によると、事故を起こした運転者は急性心筋梗塞を発症し、
その影響で意識を失った可能性があるとされています。

このように、突然の体調変化が思わぬ大きな事故につながることは決して珍しくありません。
「少し胸が重い」「息が苦しい」「冷や汗が出る」
そんな“ちょっとした違和感”が、実は心臓からのSOSかもしれません。
心筋梗塞は、ある日突然、命を脅かす発作として起こる病気です。
心臓の筋肉(心筋)に血液を送る『冠動脈(かんどうみゃく)』という血管が、動脈硬化などで詰まってしまう病気です。

心臓は全身に血液を送る“ポンプ”ですが、心臓自身も血液から酸素をもらって動いています。
心筋が酸欠になると、心臓の押し出す力が弱くなり、全身に血液が流れなくなるため命に関わるのです。
特に寒くなる季節は、血管が収縮して血圧が上がりやすく、発症リスクが高まります。
心筋梗塞になると次のような症状が現れます。
・胸の痛み(圧迫感・締めつけ感・焼けるような痛み)
・冷や汗、吐き気、息切れ
・肩や腕、あご、背中への痛みの広がり
※女性や高齢の方、糖尿病などの神経障害がある方では、
「胸の痛みが軽い」「違和感だけ」というケースもあり、発見が遅れることがあります。
未然に防ぐには今の自分の状態を知っておくことも重要です。
・糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病になっていないか。
・血管の状態を知っておく。
当院では、次のような検査で心臓と血管の健康チェックを行うことができます。
・血液検査:コレステロール・中性脂肪・血糖などを測定し、動脈硬化のリスクを確認します。
・心電図検査:心臓の電気信号を調べ、不整脈や心筋への負担を早期に発見します。
・心エコー検査:心臓の動きや壁の厚さ、弁の状態を確認し、心臓の働きを詳しく評価します。
・頸動脈エコー検査:首の血管の状態を観察し、全身の動脈硬化の進み具合を推測します。
また、心筋梗塞を予防するためには
・高血圧、糖尿病、脂質異常症をしっかり治療する(理由については過去のコラムを参照してください。)
・タバコをやめる
・バランスの良い食事と適度な運動
・胸の違和感を感じたら、「様子を見ずにすぐ受診」
心筋梗塞は、早く気づいて治療を始めれば助かる病気です。
年末年始の忙しさで無理をしがちなこの季節。
「少しおかしいな」と感じたら、迷わず受診してください。

作成者:臨床検査技師 篠崎 英美
