コラム

糖尿病の合併症を予防しよう~ 早期発見に役立つ検査たち ~

6月といえば梅雨の季節ですね。
雨が続くと外出の機会が減り、運動不足や生活の乱れが気になる時期です。
実はこうした変化が、糖尿病やその合併症の進行につながることも。

前回は、糖尿病についてお話しました。
今回は少し踏み込んで、糖尿病によって起こりやすくなる「合併症」についてご紹介します。糖尿病は血糖値が高い状態が続くことによって、体のさまざまな臓器に影響を与えることがあります。

そのため、合併症を予防するためには早期発見と管理がとても重要です。

糖尿病の合併症には、以下のようなものがあります。

・糖尿病性腎症

→ 腎臓の働きが悪くなり、最終的には人工透析が必要になることもあります。

・糖尿病性神経障害

→ 手足がしびれたり、感覚が鈍くなったりします。足の傷に気づかず悪化することも。

・糖尿病性網膜症

→ 目の奥の血管が痛み、視力の低下や失明することもあります。

・心血管疾患(動脈硬化など、心臓や血管に影響を与える)

→ 動脈硬化によって詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす可能性があります。

 

 

  • 上記はあくまで「合併症予防」の一般的な目安です。
  • 年齢や合併症の有無、低血糖のリスクなどによって個別に調整が必要になります。

※参照 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン 2023」

糖尿病の合併症を予防するには、以下の検査を受けることが推奨されています。

  • 心電図検査(心拍数やリズムの乱れなどの心血管疾患を検出します。)
  • ABI(足の血管のつまりの有無や動脈硬化の進行具合の確認ができます。)
  • エコー検査(音波よって臓器の状態を画像化し、病気の有無を判断します。)
  • 眼底検査(目の奥を観察し、血管や網膜の状態を観察します。)

当院では、糖尿病に関連する合併症の早期発見のため、採血や尿検査の他、心電図やABI、エコー検査を実地しています。眼底検査は、より専門性の高い眼科への受診を勧めています。

また、手足の感覚低下は本人では気づきにくい場合もあります。

定期的な医師の診察で異常の兆候を見逃さないようにしましょう。

検査を受けることで自身の健康を守り、より安定した生活を送ることができます。

 

作成者:臨床検査技師 篠崎 英美

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