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疲れやすさの正体、見逃していませんか?②~それ、「腎性貧血」かもしれません~

10 月に入り、朝晩の涼しさが増してきました。

夏の疲れが出やすい時期でもあり、「だるさ」「息切れ」を季節のせいにしてしまいがちです。
しかし、腎機能が低下している方では腎性貧血が隠れていることもあります。
今月は、見逃しやすい腎性貧血についてお伝えします。

腎性貧血は、腎臓の働きが弱くなることで赤血球が作れなくなる貧血です。
透析患者様に多いイメージがありますが、腎機能が低下している外来患者様にも起こります。

【腎性貧血が起こる理由】
● 腎臓で作られる“EPO”が減る

腎臓は、赤血球を作るホルモン エリスロポエチン(EPO) を作っています。
腎機能が低下すると、このホルモンが十分に作れず、赤血球が減ってしまいます。

● 赤血球の寿命が短くなる

腎臓の働きが弱ると、体内の老廃物が増え、 その影響で赤血球が壊れやすくなることがあります。

● 慢性炎症で鉄が使えなくなる

腎臓病の方は炎症を起こしやすく、 炎症があると体は鉄をしまい込み、赤血球が作りにくくなります。
(前回の鉄欠乏性貧血コラムにも「炎症があると鉄を血液中に出さない」と説明があります。)

※ 腎性貧血と鉄欠乏性貧血はまったく別の病態ですが、
腎性貧血の患者様は鉄不足を併発しやすいという特徴があります。
鉄不足が進むと、鉄欠乏性貧血を合併することもあります。

 

【主な症状】
・疲れやすい、だるい
・息切れしやすい
・動悸がする
・立ちくらみ、めまい
・集中力が続かない
・顔色が悪い(青白い)
鉄欠乏性貧血と似ていますが、 腎機能が低下している方では腎性貧血が原因のことが多いです。

【腎性貧血を見つける検査】
● Hb(ヘモグロビン)
貧血の基本指標です。血液が酸素を運ぶ力の目安になります。

● eGFR(腎機能)
腎性貧血は、腎機能が低下している方に起こりやすいため、
Hb と eGFR をセットで見ることが大切です。

● TSAT・フェリチン
鉄の状態を確認します。 鉄が不足していると治療が効きにくくなります。
※TSAT:血清鉄と TIBC という検査値から計算して求める今すぐ使える鉄の割合。
採血項目として表示されないこともありますが、腎性貧血の評価に役立ちます。

 

【治療の流れ】
腎性貧血の治療は、
・赤血球を作る力を助ける
・足りない鉄を補う
・腎臓の状態を保つ
・体調に合わせて調整する
こちらが基本になります。

【まとめ】
腎性貧血は、
・EPO が作れない
・赤血球が壊れやすい
・炎症で鉄が使えない
といった理由で起こります。

「年齢のせい」「疲れやすい体質」と思っていた症状が、
腎性貧血によるものだったというケースは少なくありません。
外来の方も、透析の方も、 気になる症状があれば一度ご相談ください。


作成者:臨床検査技師 篠崎 英美

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