コラム

透析関連情報

血液の流れ

透析をするためには穿刺(針刺し)をして血液を体の外へ出す必要があります。
その時に外へ出した血液はどの様にして体内に戻るのでしょうか?
今回はそんな血液の流れについて書いていきます。

1:血液回路

透析では血液が流れる部分を「血液回路」と呼びます。
血液回路は大まかに動脈側・静脈側があります。
以下は血液回路図になります。
赤いラインが動脈側・青いラインが静脈側になります。

 

血液の流れは脱血した血液は動脈側から流れて静脈側から体内へ戻されます。

次に血液が通過する所の名称を記載します。

① 動脈側気泡検知器:体内から血液を脱血する際に気泡が混入していないか確認しています。
② ローラーポンプ:血液を脱血するためのポンプです。
③ 動脈側チャンバ:ダイアライザーへ気泡が混入しないように気泡と血液を分離させています。
④ ダイアライザー:血液から老廃物を除去する場所です。人工腎臓とも言われます。
⑤ 静脈側チャンバ:血液を体内へ戻す際に気泡が混入しないように気泡と血液を分離させています。
⑥ 静脈側気泡検知器:体内へ血液を戻す際、血液に気泡が混入していないか確認しています。

血液が通過する箇所にダイアライザー(人工腎臓)というのがありますね。
人体では臓器に流入する血管を動脈、流出する血液を静脈と呼びます。
透析では人工腎臓を臓器と考えてそこに流入する回路を動脈側・流出する回路を静脈側と呼びます。

 

2:どれくらい血液は体外へ出ているの?

血液が通過する箇所にローラーポンプというがありました。
拡大するとこの様になっています。
以下の画像で真ん中のローラーが回る事で血液を左から右へ流しています。

透析ではシャント(バスキュラーアクセス)へ針を穿刺してローラーポンプで体外へ出しています。
体外へ出す血液の量のコントロールを行っているのもローラーポンプです。
つまり、血液を1分間に200ml又は300ml体外へ出すことを正確にコントロールしています。
私達が自転車を運転して4~5時間一定の速度で運転するのはなかなか難しいですよね。
ローラーポンプは透析開始から終了まで正確に一定の速度で動作する凄い機器であると分かりますね。

では、透析開始から終了までどれほどの血液がローラーポンプを通過するのでしょうか?
4時間透析で血液を1分間に250ml体外へ出していると仮定します。
250ml×60分=15,000ml→15L これが1時間でローラーポンプを通過した血液の量です。
4時間×15L=60L  これが4時間透析でローラーポンプを通過した量です。

 

ヒトの循環血液量は体重の約1/13と言われています。
仮に60kgの人だとすると4.6Lが血液量になります。
つまり、1分間に250mlの設定でローラーポンプを動作させて4時間透析をすると循環血液を約13回出して戻した計算になります。

 

先ほどの計算からも分かるようにローラーポンプでなるべく多くの血液をダイアライザー(人工腎臓)へ循環させることは体内の血液がより綺麗になります。
それは、患者様の快適な生活に繋がると考えています。

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