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血圧の歴史

皆さんの身近な所で血圧を気にされている方は多いと思います。
そんな、血圧の歴史について書いていきます。

 

1:血圧測定の始まり

臨床心臓病学教育研究会HPでは血圧測定の始まりを以下の様に書かれています。
「血圧測定の始まりは、多くの方が既に報告していますが、1720年にヘイルスという男性が麻酔した馬の左頸動脈から銅パイプを挿入し、それにガチョウの気管を使ってガラス棒に接続して固定すると、血液がガラス棒の中を上昇し、血圧をはじめて測定することに成功しました。」

なんと、今から300年程前に血圧測定の基礎が作られたことになります。

 

2:血圧の単位

単位とは血圧を測定して「140/80」と表記された時の後ろに付く文字の事です。
血圧の単位として使用されるのは「mmHg(ミリメートルエイチジー)」という単位です。
mmは長さでHgは水銀です。
水銀と聞くと水俣病を思い浮かべて良いイメージを持たない方がいるかもしれません。
なぜ、水銀を血圧測定の単位に用いているのでしょうか?
それは、血圧を測定する時に水では厳しいからです。
それは、どういう事?????

水銀を考える時に重要なるのが比重です。
比重とは、文字通り重さを比べる事です。
水を1とすると水銀の比重は13.6になります。
つまり、水より13.6倍重い事になります。
例として水と水銀で人の血管にカテーテルを刺して垂直に上昇する血圧を測定してみる事にしましょう。
成人男性最高血圧130mmHgの方がいるとします。

<水の場合>
水は水銀よりも13.6倍軽い事になります。
そのため、130×13.6=1,768mm≒1.8m

<水銀の場合>
水銀はそのままの数値を用います。
130mmHgは130mm=13cmになります。

 

3.馬の血圧はどれくらい?

最初にお話しした馬の血圧はだいたい200mmHg程度です。
皆さんはmmHgという単位に慣れているためとても高い数字だと感じられますね。
ここから、先ほどと同じように垂直に上昇する場合はどれくらいの高さになるのか計算してみましょう。

<水の場合>
200mm×13.6=2,720mm≒2.7m
<水銀の場合>
200mmHgは200mm=20cm

正確には水と血液の比重は1:1.055であるため約2.6m上昇したことになります。
1720年に血圧を測定することに成功したヘイルスは縦に約3mのガラス棒を用意して実験していたと思われます。
周りに足台などを用意して測定したと思われますが想像すると凄いことですね。

 

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