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こむら返りの原因と対策

寝ているあいだにこむら返りが起きて目が覚める。
そんな経験をしたことがある方も多いのではないのでしょうか。
激痛ですよね、、、

医学的には「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」といいますが、なぜ「こむら返り」というのか。
「こむら」とは「ふくらはぎ」のことを指し、平安時代頃からふくらはぎの筋肉がひっくり返ったような痛みからこむら返りと呼ばれていたそうです。

ちなみに英語では「charlie(チャーリー) horse(ホース)」とも表現します。ニックネームが「Old Hoss(馬のように大きな男)」のCharles(チャールズ) Radbourn(ラドボーン)という野球選手がいて、この方がよく試合中に足を攣っていたからだそうです。

こむら返りは足がつるともいいますが、「つる」とはどういうことかといいますと、筋肉が伸縮のバランスを崩し、異常な収縮が戻らない状態です。

足がつる原因

水分・ミネラル不足
体内の水分やミネラル(カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)のバランスが崩れることで起こります。これから暑くなる季節、脱水により引き起こされることもあるので熱中症対策が必要です。

筋肉の疲労
過度な運動や長時間の立ち仕事などにより乳酸などの老廃物が蓄積してつりやすくなります。加齢や運動不足により筋力が低下している場合は更に筋肉への負担がかかりやすいです。

冷え
体が冷えて血流が悪くなることでつりが引き起こされます。この時期はエアコンによる冷えすぎに注意が必要ですね。

以上のことなどが原因として挙げられますが、その他にも妊娠、糖尿病、動脈硬化、甲状腺疾患、内服薬の影響などさまざまなことでも起こり、まだ詳しく解明されていない部分もあります。

足がつったときの対処法

あの激痛から1秒でも早く解放されたいですよね。つってしまったときの対処法をいくつかご紹介します。

ストレッチ
つま先を手で持ってふくらはぎを伸ばします。このとき膝をなるべく伸ばすとより効果的です。手がつま先に届かない方はタオルなどを使用してください。

マッサージ
筋肉をほぐすように優しくマッサージをします。

患部を温める
ホットパックやカイロなどで温めて血行を良くします。

内服薬
つったときに効果的なお薬もあるので医師へご相談ください。

 

足がつらないための予防法

足がつるということは体からのサインです。先に挙げた原因に対策を行うことが必要です。適度な水分・ミネラルの補給、体を冷やさない、日頃から適度な運動を行ったり、ストレッチやマッサージを行うことが予防につながります。

血液透析患者様のこむら返り

では、ここからは血液透析患者様におけるこむら返りについてお話しします。
こむら返りは比較的頻度の多い合併症です。

ではなぜ血液透析の患者様では起こりやすいか。

・血圧の低下
・除水量が多い
・ドライウェイトがきつい
・カルニチンの不足
・低カルシウム、低マグネシウム、低カリウムなど
・閉塞性動脈硬化症

などの原因が挙げられます。

予防策としましては透析間の体重増加が多くならないように塩分を控えることが大切です。
その他にも冷えないように衣類や布団で調整したり、足首を動かして血行をよくすることも対策になります。
また、医療者側も採血の結果やレントゲン、透析中の血圧の変動などを確認してドライウェイトの設定や薬剤の投与など調整に努めています。
*原因として低カルシウムや低マグネシウムなどを述べましたが、足がつるからといってご自身でサプリメントなどを補給することは控えてスタッフへご相談下さい

透析中に足がつってしまったときは血圧が下がっていることもあります。
除水の停止やマッサージ、薬剤などで改善することもありますので我慢せずにスタッフへお知らせ下さい。

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