どうやって体から水分を抜いているの?
透析を始める時に以下の様な会話があると思います。
スタッフ「今日は〇kgありますがどのくらい水を抜きますか?」
Aさん「じゃあ、200g残して□kg抜いてください」
これは、体から水分を除いているという事で「除水」について話しています。
1:透析の目的
透析を行う目的として「体内水分量の調整」「電解質の調整」「酸塩基平衡の調整」などがあります。
上記で述べた除水とは「体内水分量の調整」の事を指します。
透析患者様はDW(ドライウェイト)という体内水分量が適正な体重を基準としています。
そのDWから増えた量を除水しています。
例えば
透析前体重 62kg
DW 60kg
の場合は、
除水量 2kg
この様になります。
2:どうやって除水しているの?
透析はダイアライザ(ダイアフィルタ)へ1分間に500mlの透析液を流して拡散を起こし体内の不要物質を除去しています。
では、除水した水分はどこを流れているのでしょうか?
それは、ダイアライザ(ダイアフィルタ)の出口側を流れています。
図にすると下の様になります。
図はシャントから脱血してダイアライザ(ダイアフィルタ)を通過後シャントへ返血する一連の流れを表しています。
右下はダイアライザ(ダイアフィルタ)へ1分間に500mlの透析液が流れ込んでいるのが分かります。
右上はダイアライザ(ダイアフィルタ)からは1分間に508mlが流れていることが分かります。
これは、除水量が2,000mlで4時間透析の場合
となります。
つまり、ダイアライザ(ダイアフィルタ)出口のはじめは除水量を含めた量の透析液が出てきます。
その後、除水ポンプで除水と透析液に分けられます。
除水は透析液に含まれて体内から抜かれるのは納得ですね。
原理としては分かり易いですが除水ポンプの担う役割はとても大きいです。
なぜなら、除水ポンプ性能がずれてしまうと透析後体重がずれてしまうからです。
ずれないように透析装置のメンテナンスが重要となっています。
臨床工学技士 綱川