コラム

透析関連情報

透析中に運動しませんか?

運動をしようと思っても寒くてなかなか気が進みませんね。

当院では透析中に運動が出来るエルゴメーターを導入しています。

透析中のエルゴメーターの効果を紹介します。

 

1:エルゴメーター

透析中も無理なく仰臥位で下肢の運動ができるサイクルマシンです。

既に使用されている方も多くいます。

回転スピードやタイマー設定が付いています。

2:透析中の運動負荷による溶質除去量の影響

溶質除去とは血液透析などの治療法によって、血液中の老廃物や電解質の除去することです。

日本の論文をご紹介します。

透析中にエルゴメーターを使用して自覚的運動強度(Borg指数)12、安静時心拍数+10拍以下を一つ基準としています。

Borg指数を以下に示します。運動強度を数値に表したものです。

Borg指数

Borg指数12以下であった対象者をAT群

Borg指数13以上であった対象者をAT未満群としています。

※AT:運動時に有酸素運動から無酸素運動に切り替わる運動強度の閾値

つまり、AT群には負荷のある運動を実施している。AT未満群には軽い運動を実施しているという事です。

 

溶質除去量の結果を示します。

この結果は意外ではないですか?

P(リン)やBUN(尿素窒素)は透析中に負荷をかけた運動の方で除去量が少ないという結果です。

論文中では「中強度の運動とされるAT レベルでは循環血漿量の減少により,組織からの洗い出しが不十分となって溶質除去量が増加せず、循環血漿量の変動が少ない低強度運動で溶質除去量が増加することを仮説として検討を行った。その結果、小分子である P、BUN は低強度の運動療法においてのみ運動中の除去量が増加し、中強度の運動療法では P、BUN の除去量が減少したことから、仮説を肯定する結果が得られたと考えられる。」

 

この結果から分かるように老廃物や電解質が多く除去されるためには透析中に軽い運動をする事です。

当院では透析中の運動をするためににエルゴメーターを導入しています。

気軽にエルゴメーターを始めてはいかがでしょうか?

実施したい場合はお気軽にお申し付けください。

臨床工学技士 綱川

 

参考資料:透析中運動療法の運動強度が溶質除去量に及ぼす影響

URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/52/2/52_101/_pdf

 

 

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