コラム

ぬるま湯が好きなRO膜

天気予報を見ると25℃後半になる日がちらほら出てくるようになりました。

少しずつ夏に近づいている感じがしますね。

今日は、それくらいの温度(25℃~30℃)を好む機器があるためお話します。

 

 

1:RO膜

透析は透析液と血液がダイアライザーを介して不純物を除去しています。

透析液は透析用剤(粉)とRO水をかき混ぜて作成されます。

そんなRO水を作成する機械がRO装置でその中にある部品がRO膜です。

RO装置は透析液を作成するのに必要な水を作る機械という事です。

RO水作成の流れを記します。

 

 

  • 水道水(原水):RO水の元となる水です。
  • 1次フィルタ:水道水中にある錆やゴミなどを濾過します。
  • 軟水化装置:水道水中にある硬水成分(CaやMg)を除去します。
  • 活性炭濾過装置:水道水中にある遊離塩素等を除去します。
  • 2次フィルタ:1次フィルタより細かいフィルタで軟水装置や活性炭濾過装置から出る微粒子を除去します。
  • RO膜:RO膜を介して更に不純物を濾過して透析に使用する純水を作成します。
  • 紫外線殺菌:作成した純水に微生物が発生する事を抑えます。

この一連の工程を得て透析液作成に使用できるRO水が作成されます。

つまり、RO水は微生物が生息せず超軟水の水という事が分かりますね。

 

2:RO膜を流れる水

RO膜はRO水を作成するのに欠かせない大切な膜です。

RO膜に流れる水には適している温度があります。

それは25℃~30℃と言われています。

これよりも温度が高かったり低かったりすると塩素除去効率が落ちてRO膜の負担が増える事で膜寿命が短縮するため上記の温度範囲にする事が推奨されています。

RO膜はぬるま湯を好むんですね。

 

最近、天気予報で25℃程度を見るようになりました。

これは、RO膜の好む温度だな~と思い天気予報を見ている変わり者です。

 

 

作成者:臨床工学技士 綱川

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